みなさん、こんにちは。Adeyaccoでございます。今や派遣労働者の雇い止めは、大きな社会問題となってしまいました。派遣労働者ばかりではありませんね。いつ雇用を失うか、まったく先の見えない時代に入ったといえます。
本日のキーワードは『非正規雇用』。
ニュースでよく聞く言葉ですが、正確にはどんな雇用形態なんでしょうか?そして何が問題で、このような事態になってしまったのでしょうか?
企業が社員を雇い入れる場合、通常雇用契約には契約期間を定めません。これは社員となって、会社のために頑張りとおしてくださいね、というのがそもそも社員としての「雇用」だからといえます。
しかし中には、「この期間だけ、あなたの能力を会社のために貸してね」という"期間を定めた"雇用契約が存在します。派遣労働者であったりアルバイトであったり。
「非正規雇用」とは、期間を定めた短期の雇用契約で社員を雇う雇用形態のことを指します。日本では、派遣労働者、契約社員を始め、アルバイト、パートタイマーも非正規雇用に該当します。
野党側でも雇われる側でも非正規雇用に携わった方は、「契約期間は●ヶ月とする」という言葉は耳にしているはずです。通常は2~3ヶ月でしょうか。
職を転々としている方は別として、期間の定めがある非正規雇用であっても、通常は契約更新(多くの場合、申し出がない場合は自動更新)し、気がつくと1年、2年と同じ企業で働いていませんか?
これは実質、正規雇用(期間の定めのない雇用)と同じではないか。ならば非正規雇用から正規雇用に雇用契約を変更しなさいよ、という法律があります。
この法律に従って、多くの企業が非正規雇用労働者を正規雇用として社員に迎え入れました。2002年以降、日本の経済が回復基調に転じ、人手不足から即戦力である契約社員、派遣社員が多く雇われた時代です。経済回復の波に乗って、非正規雇用から正規雇用になった方が多くいました。
その後2007年ごろから経済成長は陰りを見せ(ご存知のサブプライムローン問題)、昨年2008年にはリーマン・ブラザーズの経営破たんを引き金に、経済成長は落ち込む速度を速めています。
こうした状況の中、企業としてはリストラ策として、契約期間の到来する非正規雇用社員を継続雇用しない、いわゆる「雇い止め」を行っているわけです。
さらに今、派遣労働者を取り巻く環境に大きな問題があります。それが「2009年問題」。
2004年、2006年の労働者派遣法改正で、製造業の労働者派遣が解禁となり、派遣期間は1年とし、最長で3年までの延長が認められていましたが、その3年の延長期間が、2009年3月に到来します。
今雇い入れている派遣労働者に今後も同じく業務を続けてもらうためには、非正規雇用から正規雇用に切り替えなければならなくなったわけです。金融危機で景気は悪化し経営の苦しい企業にとっては、正規雇用で労働者を雇い入れることはコスト増となります。それが雇い止めを加速させている要因のひとつでもあるわけです。
2006年労働者派遣法改正の時点で、誰がこの世界的な金融危機を予測できたでしょうか。非正規雇用労働者にとってはまったく持ってタイミングの悪い(そんな言葉で済まされる問題ではありませんが)経済情勢となってしまったわけです。
Adeyaccoでした。
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1 Comments:
私は非正規雇用問題を卒業論文に取り上げてます。実際、書き始めてみて、非正規雇用のことを説明しようと思うと、あれ?非正規雇用問題ってどんな問題だった?と思っていた時にこの説明文を見ました。わかりやすく簡潔に説明されていて、非正規雇用のことが良くわかりました。
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